包丁の材質について

ここでは包丁の材質についてご紹介いたします。

一般的に良く見かける包丁の材質は以下の物があります

  1. ステンレス
  2. セラミック

それぞれの特徴をご紹介いたします。

ステンレス

ステンレスは鉄に12%以上のクロムを添加した合金で
添加されたクロムの働きで表面に被膜が出来るのでサビにくくなります。
この被膜はキズが付いても再生するので、もちろん研いでも大丈夫です。
扱いやすく、家庭で使うのにおすすめの材質です。

代表的なステンレス素材をご紹介いたします。

モリブデンバナジウム鋼…家庭用向け

ステンレスにモリブデンとバナジウムを添加した素材で
医療用メスにも使われている素材です。
添加された元素の働きで、粘り強さと摩耗に対する強さが向上しており
大変扱いやすい素材です。

この素材を使用した包丁

銀紙三号…本職向け

高性能鉄鋼材料の製造で有名な日立金属という会社が製造している
高級ステンレス鋼です。
サビに強いステンレスの特徴はそのままに
鋼に匹敵する切れ味と研ぎやすさを持ち、本職の愛用者も多い素材です。
ステンレス製の高級和包丁によく使われています。

この素材を使用した包丁

V金10号…本職向け

福井県の金属メーカー「武生特殊鋼材」が製造している
ハイカーボンステンレス鋼(炭素量の多いステンレス)の一種です。
こちらもサビに強い特徴はそのままに鋭い切れ味を持ちます。
また摩耗に強く、切れ味が長持ちする特徴があります。
比較的新しい素材で、とても注目されています。

中心材にV金10号を使った割り込みの包丁は比較的値段も安価なので
(それでも一般的なステンレス包丁に比べれば高いですが…)
切れ味にこだわりたい方は選んでみるのもいいかもしれません。

この素材を使用した包丁

スポンサーリンク

鋼は鉄に炭素を添加した合金で、炭素鋼とも呼ばれます。
家庭で使用する事を考えると、鋼の包丁はあまりおすすめできませんが
きちんと手入れする事が出来れば素晴らしい使い心地を発揮します。

鋼がステンレスに比べて優れているのはなんといってもその切れ味!
管理人はどちらかというとステンレス包丁派ですが
切れ味についてはやはり鋼が一歩勝ると思っています。

また研ぎやすいのも特徴の一つです。
ステンレスは砥石にかかりにくく、研ぐのにどうしても時間がかかりますが
鋼の包丁は比較的簡単に研ぐ事が出来るので、いつも良い切れ味を簡単に保てます。

とにかく手のかかる素材ですが、包丁にこだわりを持つ方や
和包丁を使おうと考えている方にはぜひ一度使って欲しい素材です。

代表的な鋼の素材をご紹介いたします。

SK鋼…家庭用向け

包丁の他に工具・農具などに使われる一般的な刃物用鋼材です。
価格が比較的安価な鋼材ですが、キチンと管理されて作られた包丁は
高級鋼材にも負けない切れ味が出ます。ただし切れ味の持続に劣ります。

SK鋼をステンレスで挟み込んだ割り込みの包丁は安価で切れ味もよくオススメです。
(ご使用の際は刃先部分のサビにだけ注意しましょう)

この素材を使用した包丁

白紙鋼…本職向け

SK鋼から切れ味に悪影響のある不純物を極限まで取り除いた高級刃物鋼で
高性能鉄鋼材料の製造で有名な日立金属という会社が製造しています。

硬度が高く切れ味に優れる上に研ぎ直しもしやすく、本職に愛用者が多い素材です。

この素材を使用した包丁

青紙鋼…本職向け

上記の白紙鋼に粘りを出すクロムと耐摩耗性を高めるタングステンを添加した高級刃物鋼です。
粘り強くしなやかで欠けにくく、摩耗に強い為切れ味が長持ちします。

この素材を使用した包丁

※鋼の包丁をしまう時のワンポイントアドバイス
鋼の包丁はサビが出やすいので、使ったらよ~く水分を拭き取ってしまいましょう。
ちなみに鋼の包丁は、使っていく内に表面が若干黒くなってきますが
被膜が出来たこの状態になると多少サビに強くなります。

長い間使わない際は、表面に薄く油を塗り(サラダ油でもOKです)
新聞紙で巻いて保管しましょう。新聞紙のインクに油分が含まれているので
サビ止め代わりになります。
(もし包丁を買った時に包んでいた紙が残っていれば、それで巻くのがベストです。)

セラミック

セラミックスメーカーの京セラが初めて包丁に使った素材で
金属ではなく陶器の一種になります。

セラミックの良い所

最大の特長は研がなくても切れ味が長持ちする事です。
金属とは硬度が段違いなので、摩耗に非常に強く数年単位で切れ味が持続します。
サビる事もありませんし、包丁を漂白して除菌洗浄する事も可能です。

また金属ではないので切った食材に金属臭が移りません。
フルーツなどの風味が気になる食材をカットするのに最適です。

セラミックの欠点

セラミック包丁の欠点は、陶器なので割れるという事です。
こじるように使ったり、落としたりすると割れてしまいます。

また包丁の刃が欠けてしまった場合、ステンレスや鋼の包丁なら
研いで直す事が出来ますが、セラミックは研ぐ事が出来ないため直す事は出来ません。

自分で研ぐ事が出来ないので、切れ味が鈍ったら元に戻す手段はありません。
(メーカーで研ぎのサービスを行っている所もあります。)

管理人が気になった所

セラミックの包丁は重量バランスが金属の包丁とは異なります。
金属の包丁は刃の部分の方が重く、重心が刃の方にあるものが多いですが
セラミック包丁は刃の部分が軽く、重心がハンドル側にある感じの物が多いです。
持った感じが大きく異なるので、購入を考える際は一度実物を持ってみる事をおすすめいたします。

切りやすい物と切りにくい物がはっきりしているので
管理人はセラミックの包丁はメインで使うには適さないと考えます。
硬い食材や骨のある肉・魚との相性が悪いので、これ一本で済ますには扱いにくく感じます。

お手入れは簡単で、野菜や柔らかい食材を切るのには向いているので
ペティーナイフをセラミック製のものにするのが良いのではないでしょうか?

この素材を使用した包丁

スポンサーリンク